伊澤星花がUFCに挑戦しない理由 階級とRIZINとのレベル差問題

伊澤星花という日本の女子格闘技界を焼け野原にしているMMAファイターは、UFCという世界最高峰の舞台で通用するのか否か。我々格闘技ファンの大きな関心の一つとなっています。

先日行われたRIZIN師走の超強者祭ではRENAの挑戦を一本勝ちで退けました。何だかんだ実力差はありました。

ただやはりUFCとなると相手も強くなりますし、階級もルールもかわってくるので伊澤本人としても今のようなベストな伊澤を出せない可能性も出てきます。RIZIN界隈では芦澤竜誠が面白いキャラクターとして認知されていますが、じゃあテレビ番組に出て同じように笑いがとれるかというとなかなか難しいのと同様に、戦いの場を変えるというのは、とてつもない影響があります。

UFCに挑戦するにあたっての障害

・UFCにはアトム級がない
・相手が滅法強くなる
・ケージとリングの違い
・レベル差が激しい
・UFCいったところで多分そんな稼げない

伊澤星花の適正階級問題

伊澤星花が現在主戦場としているのは、アトム級(-49kg)でUFCにその階級はありません。

伊澤はデビュー戦からしばらくDEEPの一つ上の階級であるストロー級で戦っていたことはありますし、身長も160あるので上げようと思えば上げられますが、ストロー級時代は減量をしていなかったとの話もあり、さらにUFCストロー級選手の平均身長は伊澤より高い162センチ強なので無理をすることにはなります。

柔道の角田夏実と同じぐらいの体格。角田夏実は過酷な減量をして48kg級。

適正階級というのはやや定義が曖昧で、階級を上げることで伊澤自身のコンディションが良くなったとしても、それではまかないきれないほど周りが強くなってしまうと適性階級とは言えませんし、かといっていくら結果を出せていても、減量苦でフラついたり健康被害が発生するようでは、それはそれで適正階級とは言えないです。

デビュー戦からしばらくは上の階級で試合をして無敗にも関わらず、アトム級に下げたというのは、自分の都合でそうしたわけですから、やはりアトム級が現在の適正階級なのでしょう。あとはトレーニングの継続で筋肉が増えたり加齢で代謝が落ちたりと体は変化しますので、年を重ねて階級を上げるケースも珍しくありません。

それを適正階級の変化と言っていいのか分からない(若い頃のほうが強ければ適正階級とは言われない)ですが、とにかくそういった変化は起こり得ます。ただしこれは極限まで減量している選手でよく見るパターンで、伊澤選手がどのレベルで減量をしているのかというところまでは分からないです。

とはいえUFCに挑戦する際には、今の伊澤選手にとって不利な条件で戦うことになるのは間違いないでしょう。

レベル差問題

MLBとNPBみたいなもので、RIZINのトップ選手がUFCではただのランカーに負けてしまう。みたいなことが普通に起こります。

プロハースカみたいにUFC王者にでなったイレギュラーな選手もいますし、あとはマネルケイプもフライ級で連敗を乗り越えた現在無双しつつあります。フライ級はレベルが低いのは事実ですが、それでいうと女子ストロー級もUFC内でいうと競争率は低い方なので、激戦階級に比べるとレベルの差は小さいかもしれません。ただし他に比べてマシという相対的な話にはなります。

伊澤選手は階級を無理して上げることになるので、ここは二重苦になってしまいます。

UFC挑戦は今がチャンスでもある

UFCストロー級で絶対王者だったジャンウェイリーがフライ級に上げて空位となったあとは、マッケンジーダーンという割と戦績の微妙な選手がストロー級王者になっています。

ウェイリーが戻ってくる可能性はありますが、彼女も36歳とピークアウトする年齢ですし、いつ強い選手が出てくるか分からないので、今はUFCに挑戦するタイミングとしては悪くないです。

(伊澤がマッケンジーダーンに勝てるかというとそれは別の話ですが)

フライ級に上げ2階級制覇に挑むもシェフチェンコに完敗。組みやグランドはもちろん、勝機を見出していたであろうスタンドの近い距離での打撃の攻防すら後手に回ることが多く、ほとんど何もできませんでした。

残念ながらウェイリーはスペシャルな選手であることは証明できませんでした。ただ間違いなく強い選手で、それだけ階級の壁というのは厚いです。女子はUFCでもやや持て余してしまっているので、アトム級の創設も期待できないです。

ただしダナホワイトはいきなり朝倉海にタイトルマッチをさせたりと、一部軽量級の不人気問題をアジア市場開拓によって打開しようとしている節があるので、RIZINで連勝し人気と価値を高めれば、ダイレクトタイトルマッチという破格においしい条件を手にすることができるかもしれません。

UFCに行くメリットがない問題

UFCはトップ選手が稼げるだけ(それでもボクシングに比べたら稼げない)で、不人気階級で運よく王者になれたところで、直接的な報酬はたかが知れています。奇跡的に何度か防衛できても、多分大差ないです。

格闘家としての格は爆上がりしますので、スポンサー収入が増えたり引退後の収入源や選択肢が増えたりと、二次的な報酬は発生するにはするんですが、男子に比べると「海外で活躍した一流格闘家」の肩書にどの程度経済的な需要があるのかというのは、実は怪しいところでもあります。

女子は強さとかより、ケイトロータスやジーナカラーノのような美人選手の方がヘタな王者より露出が多かったりします(伊澤選手も美人ですがあくまで売りは強さなので)。

その辺をブラブラしてるだけで再生数がまわるロータス選手。

まあ活躍すれば名誉は得られますし、承認欲求も満たせるので、全くメリットがないということもないです。ただ素晴らしいのか厄介なのか、承認欲求はRIZINでも十分に満たせます。なんだかんだチヤホヤしてもらえますし、RIZINというのは朝倉経済圏と地続きですから、伊澤星花がやっているyoutubeの視聴者も増えるでしょう。

かつて中井りんは無理してミーシャテイトに挑んで惨敗し、ハムソヒもランカーの壁に阻まれました。無理して階級を上げると大体ロクなことにならないです。つまりはハイリスクローリターンな状況なので、これはファンとしても安易に挑戦してくれとは言えないですね。

あるいはどこかで1敗すれば、ダメ元で挑戦するかと心変わりするかもしれません。ただRIZINだと敵なしなのでね。やはり今のところはUFC挑戦は現実的ではないという結論に至ります。

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