2026年一発目となるUFCの興行となるUFC324にて、実質メインとも言えるケイラハリソンとアマンダヌネスが激突。女子の試合といえばペチペチやりあうだけでトイレタイムにしている方も少なくないかもしれませんが、この試合は要注目です。
ビッグマッチというのは、知名度、注目度、試合のレベル、機運、興行の規模といった要素で構成されていますが、この試合に関してはこれらの要件を概ね満たしており、間違いなく女子のビッグマッチと言っていいです。
女子の試合でビッグマッチと言えるのは、歴代でもロンダーラウジーvsアマンダヌネス、クリスチャンサイボーグvsヌネス、注目度というところでサイボーグvsジーナカラーノ、ぐらいで今回はそれ以来の痺れる戦いが見られそうです。
(シェフチェンコvsジャンウェイリーも良いマッチメイクでしたが、階級の人気とお祭り感がもう一つが足らなかった気が)
オッズもケイラハリソン1.6、アマンンダヌネス2.4といった拮抗した倍率なので、どっちが勝つか予想が難しいところも盛り上がりに一役買っています。ヌネスの方が若干不利ではあるんですが、これは3年近いブランクが考慮されていますので、ヌネスのコンディション次第ではもう全然分からない前評判と言えます。
試合展開と予想は
結果こそ予想が難しいですが、展開としてはハリソンがテイクダウンできるか否か、というのが勝負を分ける分かりやすい展開となりそうです。
(チマエフ対ドュプレシもそんな前評判で、結局チマエフがレスリング力で圧倒し勝利)
ケイラハリソンはレスリングではなく柔道出身なので、相手に組みつくのはそんなにうまくないです。
打撃もちょこちょこ貰うんですけど、フィジカルが強く常に相手に圧力をかけている状態なので対戦相手の打撃が弱まっているのと、あとは耐久力も高いのか、同じく柔道出身の渡辺華奈のように打撃をもらってもあまり怯んだ様子がないんですよね。
下から反則の蹴り上げを食らってケロっとしていました。ああいうのをやられると大概イラっとした態度が出るんですけど、メンタルも強いんでしょうね。ただこの人はオリンピックでもオール一本勝ちだったりと余裕がある状況だったのも事実で、ヌネス戦でギリギリの戦いになったとき、どんな心理状況になるのか、というのも楽しみなところです。
一方ヌネスは柔術黒帯でグラウンドもできるオールラウンダーですが、どちらかといえば打撃の選手です。
ヌネスは試合に近い状況で練習できる
ヌネスはケイラハリソンのようなスーパーフィジカルの相手とやるのは初めてでしょうから、彼女の圧力をどう感じるか、逆にハリソンがヌネスの打撃をもらってどう感じるのか、お互い男とスパーリングしているだろうとは言え、実戦は別です。
ただ強いて言うなら打撃の方がスパーリングと試合の差は大きいので、そこはヌネスの方が有利だと思います。ヌネスの方がより実戦に近い状況でスパーリングを重ねられるでしょう(井上尚弥やクロフォードのようなスペシャルな打撃のレベルになると、スパーリングと試合の誤差を限りなく埋められると思います)。
あとはこの二人アメリカントップチームで同じジム同士なんですよね。ヌネスが復帰を決めて試合をするということは、ケイラハリソンの練習を見ていて、ある程度勝算があるのかなという気もしています(もっとも単純に金がないから復帰しますわ、のパターンかもしれませんが)。
そういうメタ的な要素も考慮するとオッズとは逆に若干ヌネス有利というのが私の予想です。
ケイラハリソン応援
ただ応援としてはケイラハリソンですね。ロマンのある戦い方ですし、不器用なところがあってルックスも良いので応援したくなる選手です。ヌネスが1敗しているペーニャにも圧勝しており、年齢的にもヌネスより若いのでオッズでハリソンが有利なのは納得です。
二人の戦いの歴史
UFCはレスリング有利
青木真也と川尻達也も言っていましたが、UFCではレスリング力が一番重要と言えます。同じようなレベルの選手が戦えばレスリング力が高い方が勝つパターンが多いですし、総合におけるレスリングを極めていればそれだけで勝ててしまうのがUFCです。
チマエフなんかは実質的にレスリングだけでデュプレシを完封していました。
レスリング大国アメリカがルールを整備してきた経緯もあるので、そうなるのも必然ですね。ホイスが出てた頃のように道着有りだったり無制限ラウンド制だったりであればもう少し柔道家や柔術家も対応しやすくなるんですが、スポーツなのでこれは致し方なしです。
ただアメリカ人も自分たちが作ったそのルールを、ダゲスタン人らのレスリング力に蹂躙されているのは皮肉なものです(チマエフは民族的にはチェチェン人ですが、使う技術のルーツはとしてはタゲスタン系として問題ないかと)。
UFCでも垂直肘を解禁したりと、マイナーチェンジは行われていますが、レスリング有利の構図は当面、というかずっと変わらないと思います。
ルールだけならRIZINの方が過激なんですが、如何せん競技レベルが違いすぎて本当の闘いがRIZINにあると答える人はいないでしょう。ケージとリングの違いなんかも割と大きいのですが、最強を証明したいならUFCルールに適応するしかありません。
ということで女子最強を決めるのはRENA対伊澤星花ではなく、ケイラハリソン対アマンダヌネスということで1月25日のUFC324が楽しみです。

