ミラノコルティナオリンピックに出場する女子カーリングチーム、フォルテウスのメンバーと遍歴を紹介します。
現在のスターティングメンバーは吉村紗也香、小野寺佳歩、小谷優奈、船山弓枝。リザーバーに小林未奈、コーチとして船山弓枝というのが現在のフォルティウスの陣容です。
吉村紗也香
スキップ担当。ロコソラーレでいう藤澤五月にあたるエース格の選手でフォルティウスの顔と言っても過言ではありません。インタビューでもトリを務めることが多い印象があります。
オリンピック出場を決めた、世界最終予選のノルウェーとのプレーオフ直後のインタビューでは号泣するかなと思っていたのですが、先に他の選手に泣かれてしまい冷静になっていました。オリンピックに対する執念という意味では、日本のどの選手よりも強い者があったかもしれません。
10代の頃から日本代表クラスの有力選手でしたが、カーリング競技は選抜制のナショナルチームではなく、企業が編制したチームごとの出場となるため(一部例外あり)、個人の能力だけではどうにもならない場合も少なくありません。
落選したオリンピックはバンクーバー、ソチ、平昌、北京と実に4大会にのぼり、最近は女子カーリング界のカズと揶揄する声などもあったものですが、よくぞ折れずに夢を追い続けたものです。オリンピック目指して18年も活動しています。
ライバルが次々オリンピックというひのき舞台で輝くのを見ているのは喜ばしい一方で悔しさもあったはずです。特に彼女の場合、札幌国際大学に北海道銀行フォルティウスに敗北(フォルティウスはソチ五輪に出場)、その後フォルティウスに加入するも、最後の一歩でオリンピックに出場できない状況が続いていました。
その間スポンサー企業も様変わりし、現在はマネージャーらが集めた北海道の企業などがバックアップしてくれています。北海道はスピードスケートの小平奈緒も相澤病院が採算度外視でサポートしていましたし、ウィンタースポーツへの思い入れが特別なものがあります。
数奇な運命
一方北海道銀行は旧フォルティウスが北京オリンピック出場を逃してからは、メンバーをチェンジし「北海道銀行女子カーリング部」を結成。慈善事業ではありませんから、これはこれでその時点では仕方のない判断だったと思います。
しかしながら運命とは残酷なもので、北海道銀行と離れた吉村率いる新生フォルティウスが日本代表枠に入りオリンピック出場を決め、若返りを図り戦力を強化したはずの北海道銀行が出場ならず、という結果になってしまいました。
北海道銀行にはフォルティウスから移籍した田畑百葉と伊藤彩未もいたので、この皮肉な運命にはカーリングファンも同情していました(サッカーでいうとCL優勝を目指してリバプールからレアルに移籍したら古巣リバポがCL優勝しちゃったオーウェン現象ですね)。
彼女達はまだ20代前半とまだ若くこれから、という期待もあったのですが、伊藤彩未は競技を引退しています。
伊藤彩未は美人でスター候補だっただけに、カーリング界にとって結構な損失になってしまいました。ただしまだ若いですしカーリングは年をとってもできるので、何年かたって復帰する可能性も0ではないと思います。市川美余のように解説としての道もあるかもしれません。
近江谷杏菜
この方ももうベテランで、かつてはチーム青森に所属していました。お父さんは長野オリンピックにも出場した近江谷好幸さん。
バンクーバーオリンピックでは本橋麻里らと一緒に出場しています。本大会では不振によりリザーバーと交代した苦い思いがあるので、今回は燃えているはずです。
小野寺佳歩
彼女もオリンピックにはソチで一度出場経験があります。
18年かけて初出場を決めた吉村紗也香のインパクトが強すぎてあまりクローズアップされませんが、彼女と近江谷杏菜の12年越しのオリンピック再出場もかなりドラマチックだと思います。
父は小野寺亮二。ロコソラーレのコーチでもありますが、娘が出場を決めたときには背中を叩いて労っていました。親子でミックスダブルスのペアを組んだこともあるのですが、親子喧嘩になってしまい、娘からもうやらないと言われそれ以来組んでいないそうです。
ユーモアのあるお父さんです。
小谷優奈
27歳とフォルティウスでは若手ですが、見ているかぎりかなり強いメンタルの持ち主で、先輩方にいい意味で遠慮している雰囲気がありません。オリンピックという大舞台ではこういう選手が必要な気がします。
かつてはチーム富士急に所属。ちなみにチーム富士急は現在は活動停止しています。
チーム富士急といえば西室淳子がエースとして君臨していました。彼女はその後もSC軽井沢クラブに加入し、ミラノコルティナオリンピック出場を目指していましたがかなわず、2025年でSC軽井沢クラブも退部しています。
30年以上の競技歴がある彼女の去就も気になるところです。何とか一度ぐらいはオリンピックに出場している姿を見たいものですが、現在45歳とカーリングでもなかなか見ない年齢ではありますので、もしかするとこのまま引退なのかもしれません。
小林未奈
かわいいと評判の小林未奈。
北海道銀行からの誘いを辞退するなど紆余曲折ありましたが、吉村紗也香の誘いでフォルティウスに加入。運命を分ける選択の末オリンピック出場を果たすことになりました。
ロコソラーレがもぐもぐタイムでお茶の間で人気沸騰したように、女子カーリングは付加価値の方が注目されることも少なくありません。彼女もリザーバーという立場ですが、ビジュアルによって他メンバーと同等の人気が出るかもしれません。
船山弓枝
現在はコーチです。
小笠原歩らとともにソルトレイク、トリノ、ソチと3大会オリンピックには出場しています。ミラノコルティナオリンピックではその経験をいかんなく発揮してくれるはずです。
カーリング界が比較的狭いということもあって、運命が絡みっていてなかなか皆様ドラマチックな人生です。オリンピックではフォルティウスにとって良い運命が転がってくるよう応援しています。
