カーフキック禁止論争 堀口恭司や久保優太も参戦 反対派の正体

カーフキックを禁止にしろ運動が風物詩のごとく定期的に起きていますが、久保優太と堀口恭二がこの問題について言及していました。

久保優太はディフェンスができない人が悪いという意見。

堀口恭二はカーフキックやそれを防ぐのも総合格闘技の技術という考え。両者とも至極まっとうな意見だと思います。

とはいえ彼らはカーフキックで得している側の選手なので、まあそりゃそうだろうなという話でもあります。

カーフキック反対派の正体

カーフキックを反対にしろといっている勢力は大まかに2種存在します。

まず一つ、自分が応援している選手がカーフキックによって割を食っているから禁止にしてくれと泣き言を言っている方々がいます。

RIZIN26で朝倉海が堀口恭二にカーフキックで攻略されてから大量発生したイメージがあります。

男らしく殴り合いで、といいますが、例えば朝倉未来も萩原京平と戦った時にはスタンド勝負を避けてタックルしてグラウンドで仕留めていたわけですから、朝倉ファンとしてはここは二枚舌になってしまっています。

格闘技というのは、相手と自分とのパフォーマンスの差分が最も大きいフィールドで戦う時に最も勝率が高くなるので、これは当然のことであり、またそこの戦いに持ち込むのも技術です。これは何もMMAに限った話ではなく、ボクシングであれば近距離、中間距離、遠距離のどこで戦うのかといった戦略がありますし、恐らく他のスポーツでも同じです。

敢えて相手の得意なフィールドで奇襲するパターン(ファブリシオがマークハントを飛び膝でKOした試合とか)やけん制に使うケースもありますが、相手に弱点があるのであれば、そこを突くのは勝負の鉄則です。

高山善廣vsドンフライのようなわかりやすい殴り合いが人気があるのは分かりますが、最優先ミッションであるはずの勝利にフォーカスすることを半ば放棄しているので、競技ではなくプロレス的なエンタメを見ているという前提の理解が重要になります。

(そういう試合を否定しているわけではないです。プロの興行である以上エンタメ的な要素は絶対に必要ですし、井上尚弥が人気があるのはそこも意識しているから)

エンタメ重視のRIZINでだけ禁止にしろ、と言っているのであればこれは一理あると思いますが、RIZINとUFCは業務的にはともかくとして世界線としては繋がりがあるので、RIZINでだけ禁止にしてもUFCルールに対応できなくなるだけであり、むしろRIZINファンにとっても逆効果になると言えます

ということでまず1つ目の勢力、カーフキックは俺の好きな選手が不利になるからやめろ派の人たちは無視していいと思います。動機に客観性がないので、聞いていたらキリがないです。

カーフキックはつまらない


UFCにしろRIZINにしろ、カーフキックは単純につまらないからやめてくれ。と言っている方々もいます。これがもう一つのカーフ反対勢力です。総合のルールを改良してほしいからカーフはやめて欲しいということですね。

この意見は筋が通っていますし、実際に禁止にするかどうかはともかくとして、考慮する価値があると思います。問題提起としては有りです。

「総合」格闘技なんだからそれはおかしい、という声もあるのですが、総合格闘技全般で指で首を圧迫する、頭突き、目つぶしや金的は制限されていますし、UFCであればもっとルールは細かく、グラウンドでの四点膝や脊髄へ打ち下ろす肘が禁止だったりと、必ずしも各種技術が解禁されているわけではないです。ここは見誤っている方が多い印象があります。

MMAの技術体系を極端に乱す要因になっていないから禁止になっていないだけで、ハメ技的に使われていれば、ダナホワイトが介入して禁止になっていた可能性はあります。あとは元も子もないですがダナホワイトの好みもかなり大きいです。この人は多分四点膝が嫌い。

(カーフ以外にも関節蹴りについても禁止論争がありました。個人的にはほぼノーリスクな関節蹴りの方が嫌い)

実際問題としてカーフキックは見栄えする技ではないです。UFCで人気があるのはストライカーですが、派手に殴り派手に蹴る選手が人気があるのであって、ダイナミズムに欠け、痛みが観客に伝わり難いカーフキックというのはハッキリいって地味なので、エンタメ的につまらないというのは否定できないと個人的には思っています。

とはいえ選手たちも優秀なので、今のところ強い選手はカーフにしっかり対応していますし、それ以外の攻防が大部分を占めています。

あとはスポーツというのはこの手のつまらない戦術を乗り越えた先に、新たな技術やエンタメが生まれたりしますので、「つまらない」「プッシュしたい選手が勝てない」からと安易に縛ってしまうのがいい方向に転ぶとは限らないです。

卜部弘嵩は反対派

k1で活躍した元キックボクサーの卜部弘嵩さんは反対派。理由は危険すぎるということですが、これはX上ではイマイチ賛同を得ていませんでした。

危険すぎるというと、ヒールフックなどの足関節技も大怪我に繋がりやすいイメージがありますがUFCでは禁止になっていません。ただしストップの後も足関節を解除しなかったトキーニョがUFCを解雇されるなど、UFCなりに危険な技に対処しようとしている姿勢は見られます。

卜部弘嵩さんは問題提起の手段として、やや極端な物言いをされたのかもしれません。

カーフキック効きすぎ問題

太ももと違って筋肉や脂肪が薄い場所をピンポイントで蹴るので、ダメージが大きいようですね。しかも太ももを蹴るローキックと違って蹴り足を取られるリスクが小さく、コスパも申し分なしです。

アップライト気味な構えが多いキックボクシングではそこまで有効ではないですが、テイクダウンの攻防が前提にあるMMAでは前がかりの重心をとることが多く、カーフキックは文字通りMMAのアキレス腱をついてきます。(カーフとアキレス腱は解剖学上は微妙に違いますが)

UFCで無敵を誇っていたヌルマゴもこれカーフちょっと効いてるんちゃうみたいな場面が実はありました。

ただリスクがないわけじゃなく、硬い箇所でガードされると、蹴った側の足が折れるみたいなことも起こり得ます。アンデウソンシウバがそれで負けていました。

まあ初見殺しの技ではあると思います。田村潔司が吉田秀彦に食らった袖車みたいなもんですかね。知らないと食らっちゃうみたいな。まあ今は道着自体禁止ですし、道着の着用はややアンフェアだったと思っています。吉田秀彦は相手に合わせて脱いだり着たりしていましたし。

とはいえまあ勝負というのは、同意して土俵に上がった以上は言い訳ができず、合意したルールにのっとった戦いであれば勝ったものが強いという世界です。こちらは呑気に楽しんでいるだけで申し訳ないんですが、選手にはハードに訓練して頑張っていただきたいです。

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